宇宙が来た!
箱に入ってる
透明な箱に
宇宙の皮は赤い
外からその住人の輝きが見える
その星の、銀河の、銀河団の、集合体の光が
どんな光が澄むのか
どんな時間が流れるのか
どんな空気を吸い込めるのか
どんな命が生きるのか
どんな物質で埋め尽くされているのか
赤い宇宙は語る
銀河の輝きは眩しい
赤い宇宙は想像を掻き立てる
誰が宇宙はひとつだけだと言っただろう
赤い宇宙は数えられるだろうか
その表面、内部にある核
それはまるで銀河のバルジのようだ
赤い宇宙と暮らす
赤い宇宙を眺める
赤い宇宙を食べる
赤い宇宙は地球に実る
赤い宇宙は体内を巡る
そして取り込まれる
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りんごは深紅になるほど手に取りたくなる
買ったら家のテーブルに置いて一緒に過ごす
赤いりんごを見ると宇宙が見える
赤い宇宙(そら)に広がる無数の星々が美しく愛しい
りんごを横から切ったなら五芒星が現われる
人が星形と認識する、星のカタチだ
その宇宙に種が眠る
果物とは不思議な食べ物である
熟したプラムの表皮、熟れたマンゴー、ネクタリンもまた美しい
赤い宇宙が眩しい
その宇宙のために果物を買う
一緒に過ごして彼らの言葉を聞く
香りはジャム瓶に閉じ込めておきたい
赤い宇宙は生きているからずっとテーブルには置けない
りんごははち切れて、赤は失われる
大切にするならはち切れる前に、食べた方がよい
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