人はなぜ絵を描くのか。
人はなぜ絵を観るのか。
理由はなんでもいい。
ただ何千年も前から絵を描くという行為、
絵を観るという行為、伝えるという行為がある。
よく、「私は絵のことは全く分からない」と言う人に出会います。
フランス語でもそうですが、
「英語はかじったけどフランス語はどうも…。」
という話をよく聞きます。
それは、人それぞれ興味が違うから必然です。
そちらに目を向けない、行かない、ということは
興味がないということです。
別に興味がないからと言って問題ではありません。
ただその興味がどこにあるかの違いで、
そうやって人それぞれ違うことが世界を創っています。
だから苦しいときもあるし、楽しいと思えることもあります。
私は浮き沈みが激しいので、その連続です。(–;)
絵には言葉がないけれど、直接心に響きます。
私は絵本を作ることに惹かれますが、
やっぱり私が一番に興味があるのは「絵」それ自体です。
なぜなら、言葉もなく
その一枚のみで人の心を捉えることができるからです。
何もない、白い紙の中に浮かぶカタチ。
浮き上がる対象。
何もないところに現れる不思議。
それが私にはよく響きます。
人それぞれこのように響くものがあるものです。
私はそのひとつが絵だったのです。
そして自分が描くときには一番油絵具が魂に響きます。
油絵に触れたことない小学生のころから、
なぜかペインティングナイフでゴッホのようなタッチの絵に
触れたときの確かな感覚があります。
私がペインティングナイフを実際に触ったのはそれからずっと
後(10年以上あと)のことなので、不思議なものです。
その感覚はずっとあります。
それが私を絵を描くことに留めている秘密かもしれません。
そして、絵を始めた当初から「これだ!」という感覚があります。
油絵に触れる感触、絵とのつながり、絵を描ける縁。
これも不思議です。
運が良いというか、道しるべというか。
感謝です。
絵を始める前から印象派などの絵を観ることが好きだった
私ですが、絵を描くようになってからはもっと色々な種類の
絵を観るようになりました。
絵の師匠に会ったといっても、ほったらかしなところが
ありましたから、何とか師匠と同じ目線で絵を観たいと思ったのです。
色んな絵を観ること。
そして何でも本物を観ること。
これで観る力が鍛えられます。
いつの間にか、美術展に行って一番上手い作品が一瞬で
見分けられるようになっていました。
そうやって色々な絵を観ると、好きな絵も変わっていきます。
印象派が好きだった私も考え方、見方が大分変りました。
私は、点線面で絵を楽しむことをよく意識して絵を観ます。
それだけだと息詰まることもありますが、
勉強になるし、面白いです。
あと、上手い絵と面白味のある絵とは
見方が変わってきます。
歴史上多くの絵には背景や深い物語があります。
もちろんそれは素晴らしいし、そのおかげで絵が発展してきました。
人間にとって一瞬で伝わる「何か」がやっぱり絵には
宿っています。
人間と同じで、響くか響かないかがあるのと同じです。
私はそれを感じるのがとてもワクワク、ゾクゾクします。
たった一枚で人の心を掴む絵。
色んな絵を観てください。
あなたは絵に何を感じますか?
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